蛍光体の市場を独占する根元特殊化学
主に夜光塗料であったり防災関連の製品を開発しているのが、根元特殊化学という企業です。
その中でも、腕時計に使用されている蛍光体は、ほぼ根元特殊化学の製品が使用されているのです。
国内だけでなく、世界的に見てもこの会社がほとんど独占状態となっているのです。
元々は、軍隊用に作れた夜光時計ですが、終戦によってその需要が一気に下がってしまい、一時は倒産の危機にまで追い込まれました。
しかし、そこからまた新しい夜光塗料の開発に挑み、それが爆発的にヒットしたのです。
一切の放射線を発しない
夜光塗料というのは、どうしても少なからず放射線を発してしまうものです。
しかし、根元特殊化学が使用している夜光塗料は、一切の放射線を発しないのです。
そのため、安全面でも他の夜光塗料より群を抜いて優れているのです。
その結果、他の企業はどんどん撤退に追い込まれる中で、根元特殊化学だけが生き残ることができたのです。
新しい開発に踏み切ったこそ
そもそも、戦争が終わり、需要が減少したことによって、本来であればあそこで会社をたたんでもおかしくはありませんでした。
しかし、そこで決して諦めずに、新たらしい商品の開発に踏み切ったからこそ、こうした地位を確立することができたのです。
もちろん、それなりのリスクあったでしょうし、もし失敗をすればさらに負債を増やすことになったかもしれません。
逆に言えば、中小企業だったからこそ、もはや失うものは何もないと思うことができ、新しい開発に踏み切れたのかもしれません。